BUDDY SLAM地図作成解説

SLAM移動においては、環境地図の作成の精度が走行精度に大きく影響する。地図の精度によって走行性能が大きく変化するため、設置時においては目的地やその他設定と並んで環境地図スキャンが重要なウェイトを占める。

地図作成時はBUDDYの隣に立つようにしてブレーキ解除ボタンを片手で押し、棚部を押さえつけるようにしてロボットがスリップしないように動かす。通常歩く速度の半分以下の速度で動かす。タブレットを使用したリモコン操作を行う場合は、ロボットに触れないようにする。

まわりにひとがいる場合はスキャン中は全員ロボットが走行しうるエリアから出てもらうようにする。

地図作成の手順

  1. 最初に直線で一番長く走れる通路をまっすぐに1往復させ、基準をつくる
  2. 運用上進入しない箇所は無理に入らずに、一筆書きになるようにその他の場所をスキャンしていく
  3. 最初の直線(スタート地点でなくてもよい)に戻って地図を保存する
  4. 禁止領域を設定する(部屋の外は必ずすべて禁止領域に設定する)
  5. 目的地を追加する(できるだけロボットを動かして「現在地登録」から行う)
  6. 一度試験走行し、全目的地を走らせ迷走や目的地到達不能がでないことを確認する
  7. ユーザー様に目的地到達をみて頂き、目的地名称を含めて確認をとる
  8. オプション(1方通行・回避禁止・低速走行)などを設定する

地図作成のチェックポイント

  • 壁の厚みがほぼ均一であり、異様に太くなっているような箇所がないこと
  • 壁が2重になったりクロスしたりする箇所がないこと
  • 90度であるべき部屋の隅や柱の出っ張り、家具の形状などが90度でとれていること
  • 細かなノイズがないかどうか、全体を拡大してよく確認する

地図作成の失敗しやすいポイントと対策

  • 床配線などを乗り越え → できる限り撤去する
  • 1m以下の狭い引き込みで旋回を連続させる → 走行しない場合はスキャンしない。どうしてもスキャンする場合は最後にまわす
  • 弧を描いた動き → できるかぎり直進とその場旋回でスキャンする

禁止領域設定のポイント

  • 何もない空間を禁止領域にする場合は鋭角をつくらない(角はできる限り丸める)
  • 走行させないエリアは基本的には禁止領域にしておく
  • 安全距離は広く取りすぎないで100mm程度にする

目的地設定のポイント

  • 壁から可能であれば200mmは離す
  • できるだけ走行してきた向きと順方向に停止させる
  • 画面の向きと御客様がものを取られる向きを考えて停止角度を決める